カラス口(烏口・からすぐち)

ドラパス 英式製図器 直線引烏口 ハイスピード 中型 07197
カラス口は、主に色彩構成(平面構成)で、均一な線を絵の具で描く時に使用します。
色彩構成はアクリルガッシュでの描画を求められるので、主に筆で描画する事になります。筆はちょっとした力の入れ具合で太い線から細い線まで様々な表情を作り出せるのが大きな特徴ですが細く均一な線が引きたいときもあります。
何年もの修練を積めば、筆で細く均一に近い線を引くことも不可能ではないでしょうが、受験生がただ線を引くためだけに何年も費やすわけにいきませんし、色彩構成で求められているのは、ただ単に筆の修練度を確認するためではありません。そこで、烏口(カラス口、からすくち)の登場です。
先端の隙間から絵具が出てくる。筆先などで絵の具を金属板の先端に流し込んで使用する。ネジの締め具合を調節することで、金属板の間隔を調整して描画の線の太さを調整することができる

カラス口の概要

カラス口は、製図用のペンの一種です。ペン先の形がカラスのくちばしに似ているために、このように呼ばれています。なお、英語では "ruling pen" と呼ばれています。「rule:ルール→支配する→均一に統治する→均一に罫線を引く」という意味の捉え方で、ただ単純に「罫線を引くペン」という意味になっています。
ペン先は2枚の金属板から構成されていて、金属板の隙間(内側)の部分に筆先やスポイト等で少量の絵具を流し込むことで、ペン先の隙間から絵具が出てくる「絵具をインクとするペン」のような状態を作ることができます。
ペン先からインクが流れ出てくる現象は、「毛細管現象」といって、いわゆる万年筆ではこの原理を利用して、ペン先にインクが供給されます。これと同じことを、アクリルガッシュなどの画材でおこなうのがカラス口である、と考えてよいでしょう。

カラス口の様々な種類

カラス口には、英式と独式の2種類があります。ネジを外して2枚のペン先を縦に開く(ちょうどクチバシがぱかっと開いたような状態になる)のが、英式です。独式は、2枚の刃をネジを支点として横にスライド(ぐるっと回転)させて開きます。昔は、仏式というのも存在したようです。

英式カラス口

ドラパス 英式製図器 直線引烏口 ハイスピード 中型 07197

独式カラス口

ドラパス 独式デザイン烏口
美大受験生が主に使用するのは、直線を描くための直線カラス口です。その他に、自由な曲線を描くための曲線引きカラス口(ペン先がカーブを描いている)や、円を描くためのコンパス式のカラス口、2本の線を平行に引くための双頭(双曲線引)カラス口(1本のペン軸に2本のペン先がついている)がありますが、それらを全て揃える必要性はありません。

曲線引きカラス口

ドラパス 独式単曲線引烏口

コンパス式カラス口

ドラパス 独式差替大コンパス 烏口

双曲線引烏口

ドラパス 独式双曲線引烏口
カラス口は手書きで製図を行っていた時代にはデザイナー必携の用具でしたが、現在では、デザイン(設計・製図)のほとんどはパソコンを利用して行われます。美大受験生も、美大に入ってしまえば、かなりの部分をパソコンを利用して制作することになりますので、余計な画材を揃える必要性は無いかと思います。

カラス口の使い方

線の太さを調整する

ペン先丈夫に付属しているネジをまわすことで、金属板の間隔を調整することができます。金属板の間隔が調整されると、ペン先にある絵具、描画する線の太さを調整することができます。文房具のペンだと様々な太さの種類をそろえなければならないところ、ネジで調整できるようになっているのは便利です。絵具を使用するので、自由に色の調整ができるのも、ありがたいところです。

ペン先に絵具を入れる

ペン先に絵具を入れる時には、絵具を水で説く割合が大切です。水分が足りないと目詰まり(ペン先から絵具が流れてこない)を起こしますし、水分ばかりになってしまうと、描画する線のが意図しない薄さになってしまいます。
また、ペン先に入れる絵具の量が多過ぎると、垂れてしまって画面を汚してしまうので、うまく適量の絵具をペン先に入れる必要があります。
絵具とペン先の外側に絵具がついてしまうことがありますが、正確な線の描画のためには、布などで絵具を拭き取ると良いでしょう。画面の意図しない部分に絵具がついてしまったり、描画する線が滲んでしまって、意図しない不均一な太さの線になってしまったりします。